アスリートが金銭的自立をするためには

フリーソフトボール選手の本庄遥です。
個人で累計30社とのスポンサー契約経験があり、クラウドファンディングでは合計260万円以上支援していただいた経験があります。
現在は英語学習を習慣化させる90株式会社の執行役員、ソフトバンク新規事業「ワークスルー」のマーケティング責任者としても活動しています。
スポンサー、クラウドファンディング、ビジネススキルを生かして、世界中でソフトボールができる環境を実現することができました。

前回「スポンサー獲得をする前に必ず知っておきたい要点3つ」を寄稿し、スポンサー獲得に必要なことについてまとめてあるので、まだ読んでいない方はぜひそちらから読んでいただければと思います。

スポンサー獲得をする前に必ず知っておきたい3つの要点

今回は第二弾ということで、「アスリートが金銭的に自立をするためには」というテーマでお話しさせていただきます。

金銭的自立に向けての3つのステップ

最近、アスリートの中でもスポンサー獲得をする人が増えてきました。
その理由は「アスリートが金銭的サポートを受けやすいイメージが大きいのがスポンサー獲得だから」ではないでしょうか。

もちろんスポンサー獲得もアスリートが金銭的自立をする大切な要素の一つなのですが、それ意外にもお金を得る方法があることを知っておいて欲しいです。
私自身、スポンサー獲得をする方法をアスリートコンサルというかたちで教えているにもかかわらず、あえてアスリートに対してスポンサー意外にもお金を得る方法があるのを伝える理由があります。
それは「スポンサー獲得は仕事の一部にすぎないから」です。


この記事を読むことで、いかにスポンサー獲得と仕事が密接に結びついているかを知ってもらい、結果的にアスリートがさまざまなかたちでキャッシュポイントを作ることができるのを願っています。
今回は、スポンサー獲得、クラウドファンディングに止まらず、「お金」とどう向き合っていくか、お金を得るためにどうするべきかを③ステップでまとめました。

①自己分析をする

トップアスリートであればあるほど、受験、センター試験をスキップして推薦で進学した方が非常に多いと思います。
また、社会人になるときもスポーツをしていたことにより優遇され、実業団やプロの選手として活動している方が多いのではないでしょうか。
本来、ほとんどの社会人が就職活動の際に自己分析を行うのですが、アスリートのほとんどは自己分析をしなくても企業に勤めることができてしまうパターンも少なくありません。
「自己分析」とは自分を知り、相手が求めていることと自分が相手にできることを提示するための準備です。

人によっては、コミュニケーションをとることが得意な人、人前で話すのが得意な人、文章で表現するのが得意な人…など、い競技力とは異なるスキルを必ず持っています。
それらをうまく競技と掛け合わせることで、自身がスポーツを通じて培ってきたことを企業の売り上げや社内研修などで活用することができます。
私自身も、一部上場企業様の研修で1時間講演会をさせてもらったり、スポンサー企業でライターをしたり、PR案件のお手伝いをしたりしています。

自己分析せずに企業にアプローチをしてしまうと、かえって企業へ悪い印象を与えてしまいます。
企業メリットも提示できず、自分の強みを伝えられなければ、スポンサー獲得率が下がってしまいます。
私自身も初めは何も考えずにアタックしてしまい、うまくスポンサー獲得ができない時期がありました。
企業にいきなりアタックしに行く精神も非常に大切なのですが、最低限自分の強みをしっかり知り、相手企業へどのような恩恵が与えられるのかを考えた上でアプローチをするようにしましょう。

 

②スキルアップをする

「いざ、自己分析をしてみたら企業側へのメリット全然なかった…」
そんな方はぜひスキルアップをすることに力を入れてみましょう。
私も初めはなんのスキルもありませんでした。

始めはアメブロで、ブログを書き始めました。SNS上で知り合った人から「アメブロは広告収入がもらえないから、はてなブログかワードプレスに移動した方がいいよ!」という助言を受けて、はてなブログを開設しました。
オーストラリアでのソフトボール生活について、有益な情報になるよう文章を書いていたら、スポンサー企業の方から「うちでも記事を書いて欲しいな〜」と冗談まじりに言われたことを気に、自身が持っているブログ意外で記事を書くいわゆる「ライター」として初めて報酬をもらいました。

当たり前ですが、企業も何もメリットがない見知らぬアスリートに対して支援することはほとんどありません。
「応援すること自体に満足感がある。」と言ってくださる企業様ももちろんいますが、それはあくまで相手企業の意見であって、自ら「応援することで人生の満足度上がりますよ!」なんてことは口が裂けても言えませんよね。笑

スキルアップにも色々ありますが、おすすめするならば「企業に属さなくても稼げるスキル」が良いでしょう。
アスリートがスキルをつけるならこれだ!という視点も入れつつ、おすすめのスキルを紹介します。
向き不向きもあるので、自身の性格や活動によって考えてみてください。

ライティング(★★★★★

もし私がなんのスキルもなかった頃にもう一度戻ったとしても、ライティングスキルをあげることに注力すると思います。
理由は、文章力が上がるのでその後の仕事で文章を書くときにも役立つからです。
また、応用の仕方も多く取材ライターや各分野に特化をすることで、より希少価値が高まります。
さらに、エンジニアやデザインと比べると比較的簡単にスタートでき、初期費用もかからないので非常におすすめなスキルです。(結果的にスポンサー獲得の文章を書くときにも非常に役に立ちました。)

動画編集(★★★★

次におすすめなのが動画編集です。
ライティングに比べると、習得するまでに多少は時間がかかるものの独学で学びやすく、汎用性が高いものになります。
YouTubeは現在レッドオーシャンとも言われている一方で、実はスキルがある人にはまだまだブルーオーシャンとも言われている分野です。
そのため、今後参入する予定の実業家、企業に対してスキルが上がれば上がるほど一本あたりの単価が上がります。
ライティングであれば自身でホームページを立ち上げられますし、動画編集であれば自身でYouTubeをやるのも良い練習になるでしょう。

エンジニア(★★★★

動画編集と同じくらいおすすめなのがエンジニアですが、かかる時間やコストが違うので、自分に見合う方を選択して下さい。
エンジニアはどの分野でも不足している職種の一つです。そのため、一つの案件を受けるだけでも数十万稼ぐことができます。ただ、エンジニアのスキルを習得するまでに時間やコストがかかるので、自身の環境と照らし合わせて考えるのが良いでしょう。
エンジニアをおすすめしたい人は、実家暮らしなどで生活コストがかかりにくく、長期的なリターンを取りに行ける人です。また、エンジニアになるためにはスクールなどに通わないとスキル習得をするのが難しく、挫折しやすいので、最初にある程度の自己投資ができる資金があった上で行うのが良いでしょう。

デザイナー(★★★

デザイナーは比較的フリーランスの人たちにも多い職種です。ですが、あえて星3つにしている理由があります。それは、エンジニアよりは稼げなくて、動画編集よりもスキル習得に時間とコストがかかるからです。
また、デザイナーは人数もかなり増えてきておりいわゆる「ノマドワーカー」の人たちの中でも人気が高い職種です。
単純にライバルが多くなってしまうので、わざわざアスリートをしながらデザイナーになる選択肢をとる必要はあまりないと思います。

番外編:マーケティング

マーケティングは、絶対にやった方がいいと強く伝えたいところなのですが、他のスキルと比べて目に見えづらいため、番外編として書きました。
マーケティングとは、いわゆる「商品をどうやったら売れるか」「必要な人のところに届けられるか」「お客さんを満足させられるか」を考えて戦略を練るしごとです。
コンテンツマーケティング、webマーケティング、SNSマーケティング、ファンマーケティング、デジタルマーケティング…などさまざまな分野があります。
これらの一つでも身につけておけば、スポンサー獲得でもかなり有利になります。

マーケターになった方がいいというよりは、スポンサー獲得をするにしても、クラウドファンディングをするにしても、仕事をするにしても必要な要素が詰まっているので、「マーケティングのスキルを学ぶ」ことをおすすめします。
私の周りでもアスリート✖️ライター、アスリート✖️エンジニアなど企業に属さずに自分で案件を取りながら活動している方もいます。

一度スキルを身につけてしまえば、企業側にアプローチをするときも「応援費用としてスポンサーしてもらいながら、仕事も継続的にもらえるような関係構築をする」という生き方も生まれてきます。
「スポンサーが欲しい」とテイカー(搾取する人)になるのではなく、スポンサーしていただいた費用以上に価値を与えられる人間になるというのもスポンサー獲得の上で非常なポイントです。

 

③フリーランス、企業、会社員など選択肢を知る

「アスリートが金銭的自立をする」と聞いたとき、どんなことを思い浮かべましたか?
個人アスリートの多くはスポンサーを思い浮かべ、団体競技ではプロ選手、実業団のイメージが強いと思います。

近年、アスリートの中でも起業をするアスリートをよく見かけるようになりました。
トップレベルかつメジャースポーツであれば、スポンサー費用だけで生活費を賄えることも少なくありませんが、それはごく僅かな人たちの話です。
自身が世界一の競技者だったとしても、その競技の認知度が低いとスポンサー獲得に難航することも多いです。

セカンドキャリアを踏まえて考えたときにも、アスリートが今のうちからスキルを身につけてフリーランス、起業を考えるのも非常に有効です。
また、フリーランス、起業の選択肢は煌びやかに見えてしまうせいで、どうしても社会人アスリートは拘束される時間が多そうという相談もよく受けることがあります。
事実、アスリート活動は二の次と言われてしまう企業もありますが、企業によっては世界大会やリモートワーク、時差やシーズンを考慮してくれる企業、競技を積極的に応援してくれる企業もあります。

私の友人も、企業に勤めながらデュアルキャリアを成功させている方もいて、現在海外に移籍して活動を続けています。
企業に勤めるメリットは、金銭面が安定するのでスポンサー獲得をしなくても、競技に打ち込めることです。
フリーランスになったり、起業することは自由度が高い分、金銭的に安定しなかったときにアスリート活動に支障をきたす可能性はゼロではないので、自身の性格、実績、競技の認知度などさまざまな視点から考慮して、考えて行く必要があるでしょう。

まとめ

「現役期間はアスリートのゴールデンタイム」と言われています。
現役アスリートは、アスリートではない方と比べると非常に応援されやすい立場にいるので、スポンサーまでは獲得できなかったとしても、個人的に応援してくれるファンがつきやすいです。
アスリートが金銭的自立をするためには、スポンサー獲得が欠かせないように思う方も多いのですが、実際そんなことはありません。
自身にスキルをつけることで、自分が好きなときに仕事をし、練習に取り組める環境を自らつくりだすことができます。

この世の中は何事もGive&Takeで成り立っているので、その関係性とバランス感覚を身につけることが大事なのではないでしょうか。
今回は、アスリートが金銭的自立をするためにはというテーマでお話しさせていただきました。

これからもアスリートのセカンドキャリア、お金に関する記事をあげていくのでぜひ楽しみにしてて下さい!


この記事を書いた人

本庄遥|ライター

本庄遥

フリーソフトボールプレーヤー
世界中を駆け回るフリーソフトボール選手
 「90 English」 執行役員 CHO /「ワークスルー」マーケティング責任者

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