アスリートであり続ける姿勢とスポーツの価値

アスリートという生き方に終わりはない

私は、アスリートとは競技の中で自分の可能性、記録、対戦相手に挑戦し続ける人のことであり、その挑戦する姿勢が引退後も継続されることが理想的だと考えています。
挑戦する姿勢が継続されるからこそ、競技者としての体験をもとに競技をすること以上の価値を社会に提供していくことができると思っていて、そんなアスリートが増えることがスポーツの価値を高めることになると思うのです。
この記事は、そんな考え方をまとめてみたので読んでみて下さい。

競技生活は挑戦心を育てる機会

アスリートは目的を持って自分を高めていくということが、ある程度短い期間の中で繰り返し体験することができるという点が自己成長の機会という点で恵まれていると思っています。

アスリートは、学生の頃でも全国大会を目指すような学校だとたくさんの試合を経験します。
プロや実業団なら、チームの目的に向かってさらに精度の高い取り組みを行います。
試合の中で自分の成果を試し、課題が見つかれば次の試合に向けて克服していく、長所ならさらに伸びるように取り組むなど、挑戦の中で自己成長力、目的達成能力を鍛えていくことができます。
この能力は、スポーツ以外でも応用できるものなので、企業の中に学生時代にスポーツに真剣に取り組んだ学生を採用したいと思うのも当然だと思います。

競技生活を終えるとビジョンを描けないアスリート

しかし、アスリートとして活動した中で身についた自己成長力、目的達成能力を競技から離れると発揮できない人がいるのも事実です。
私も実業団で剣道をしていた経験、メンタルトレーナーとしてアスリートをサポートしてきた経験の中で、これまでの競技人生で身につけてきたはずであろう自己成長力、目的達成能力をビジネスの現場では活かすことができていない人を何人も見てきました。

その理由に関しては、私なりに考えがあるのですが、それは競技生活を終えたことで自分の今後のビジョンが見えなくなっていることが関係しているのではないかということです。
競技をしている時は、大会というものが設定されていて想像力を働かせなくても目指すべき目的が分かっていて目的達成のビジョンやそれに必要な成長のビジョンを描きやすいのですが、競技生活を終えて自分の人生の選択肢が多いほどビジョンを描くことができずに戸惑ってしまう人がいるように思います。

挑戦心を失わないアスリート

ビジョンを描けないアスリートとは対照的に、引退後にも新たな目的を定めて挑戦心を持ち続けるアスリートもいます。
このタイプのアスリートは、自分の活動の価値が試合に勝つこと以外にもあると感じていて、競技以外にも自分が活動する意義を見出し、自分の未来を楽しみにして活動することができているように思うのです。

現役選手の時のように年間の試合スケジュールが明確で目的が立てやすい状況ではなくても、自分で目的を設定して達成へのビジョンを描き、挑戦をするということができるアスリートは挑戦心を持ち続けて活動しています。

最近の若いアスリートの中には、競技以外のことにもアンテナを張り、引退後も目的を持ってセカンドキャリアに移行していく人が増えているように思います。
引退からセカンドキャリアの構築には苦労をしたとしても、行動して情報を集め、新しい挑戦の機会を切り開いているアスリートを何人も知っているので、これは良い傾向だなと思っています。

アスリートは挑戦者で在り続ける姿勢を持った人

私は、アスリートにとっての競技生活は勝負の世界である以上納得のいく形で終わることができる人もいれば、そうでない人もいるという点は仕方がないことだと思っています。
勝負の世界は、順位や記録という客観的な評価基準があるため、トップを目指したり記録更新を目指す以上は明確な達成と未達成のラインがあり、悔しい思いのまま引退をすることもあるからです。

しかし、引退後の世界は、貢献の世界です。
競技人生で培ったことを活かして、どんな分野でどのように貢献するかということが求められる世界です。
自分が活動してきた競技の世界で指導者になる、全く別のビジネスを行う、親になり競技人生で得たことを子育てに活かしていくなど、さまざまな貢献の形があり、そこには個々が自分の満足を追求できる世界だと思っています。
取り組み方次第で個々が幸せを感じながら活動できる可能性があるのが貢献の世界なので、アスリートには現役引退後もビジョンを描いて活き活きと活動して頂きたいと思うのです。

私は、アスリートの定義を競技生活の中で挑戦している姿だけではなく、競技生活も引退後も挑戦者としての姿勢を保ち続けて社会に価値を届けていくことができる人だと思っています。
競技生活の中で培ったものが、引退後の人生にも継続できてこそ価値があると考えていて、人生を通じてアスリートとして活動していると感じる人が増えて欲しいなと思っています。

この記事を書いた人

衣川竜也

衣川竜也

株式会社AXIA 代表取締役
メンタルトレーナー、心理カウンセラーとして大阪を拠点に活動しています。
このサイトでは、主にアスリートのキャリア構築に関する心理的要素について
記事を書いています。

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