アスリートは、勝負の世界に身を置いていますが、スポーツは非常に分かりやすく結果を突き付けられます。 競技生活を続けるということは、目標を持って努力を重ね、試合に挑戦して結果を受け止めるということを経験し続けるということでもあります。 このような環境の中でこそ身に付きやすい心の力があり、それは引退してからも自分を支えてくれます。 今回の記事は、競技生活の中で身につく“レジリエンス”という心の力について説明したいと思います。
レジリエンスは困難を乗り越える力
レジリエンスは元々は物理の用語で、ストレスという外力による歪みに抵抗して跳ね返すための力のことを言います。
アスリートにとっては、競技生活の中でプレッシャーや現実を受け止めなければならない機会があり、それらの刺激を受けてもやるべきことに取り組む必要性の中で養われる力です。
レジリエンスが高まると、自分にとって望ましくない状況やストレスがある中でも環境に適応することができたり、精神状態が不安定になったり、パフォーマンスが低下しても自分を見つけ直して調子を取り戻していくことができるようになります。
アスリートは引退をすると、場合によっては0から新しい分野に挑戦することになったり、競技に関係する仕事だったとしても求められる役割や能力が違う中で結果を求められるようになるので、そのような時にレジリエンスがあることがじぶんのささえとなるので
レジリエンスの高いアスリートの特徴
アスリートにとっては、競技生活はもちろんセカンドキャリアにおいてもレジリエンスが高いということが重要になります。
では、どんなアスリートがレジリエンスが高いと言えるのでしょうか?
それは、競技成績やパフォーマンスの高さだけで測れるものではありません。
アスリートとしての能力が高い選手の中にレジリエンスが高い人もいれば低い人もいます。
反対にアスリートとしてのパフォーマンスはさほど高くなくてもレジリエンスが高い人がいます。
私は、アスリートには現役時代にしっかりとレジリエンスを高めて欲しいと思っています。
真剣に競技に取り組むということは、レジリエンスを高めやすい環境に身を置くということでもあるので、その機会を活かすことで引退後の生活が違ってくるはずです。
皆さんがレジリエンスを高めたいと思った時に、レジリエンスが高いとはどういうことなのかを知っておくことで、競技生活でどのようなことを意識して取り組めば良いかがわかると思います。
ここで、レジリエンスの高さが感じられるアスリートの特徴をお伝えします。
- 人と比較するのではなく、自分の過去と今を比較して自己評価ができる
- 結果を自己評価する時、自分を貶めるような考え方はしない
- 自分なりの成功の定義や物事の価値基準を持っている
- 自分の機嫌の責任は自分にあると考えている
- 心理状態の変動によって大きく生活習慣を変えない
- 自らストレスが高まったり、自己肯定感が下がる行動をしない
- 今やるべきことは何かを適切に選択して実行する
- 優先順位を持って行動ができて、柔軟に優先順位を変えることができる
スポーツをしていたことがその後の人生の幸福につながるように
私は真剣にスポーツに取り組むアスリートの姿は尊く、社会に対するメッセージ性も強いと思います。
だからこそ多くの人がスポーツに関心を持ち、アスリートを応援したくなるのです。
ただ、人生の中で充実している期間が現役時代だけだったというアスリートは増えてほしくありません。
充実した競技生活を送っても、悔いが残る現役生活やケガなどに苦しむ現役生活を送っても、引退後の人生の幸福度につながる心の成長を獲得して欲しいと思います。
私は、スポーツをしていたことがその後の人生の幸福につながるカギとなる力がレジリエンスだと考えています。
競技生活を終えた後の生活もさまざまな課題や困難もあるでしょう。
そんな中でも幸福感を感じて生活していくためレジリエンスは必要な力だと思うのです。
この記事を読んで頂いている方には、レジリエンスが高いアスリートの特徴を見て自分と重ね合せて欲しいと思います。
共通している部分は、自分のレジリエンスが育っていると自身にして頂き、自分には足りていないと感じる部分は今後の成長の課題として頂ければ、競技生活はもちろんその後の人生でも支えとなるレジリエンスを発揮できると思います。
この記事を書いた人
衣川竜也
アスリートのキャリア構築を支援するオンラインサロン