チームを目的達成に導くリーダーが行っている3つの仕事

リーダーとしての仕事とは

今回はリーダーが目的を掲げて人を導く時に必要だと思う3つの要素に関する話です。
私がスポーツチームをサポートする時には、この記事に書いているようなことがそのチームのリーダーにできているかを見極めます。

目的を達成させるためにチームを牽引することは、リーダーに求められる役割の1つです。
3つの要素は、目的に向かって行動を促すために長けていた方が良いと私が思っているものを取り上げました。
その3つの仕事は下記の通りです。

  1. 目的達成のビジョンを描くこと
  2. 仲間からの共感を得ること
  3. 仲間の行動を促すこと

3つの仕事について私の会社の事例も交えながら説明したい思います。

目的達成のビジョン

リーダーの重要な役割の一つに目的設定があります。
明確な目的を設定するために必要なものが目的と目的達成に至るまでを描けるビジョンです。

チームを機能させるリーダーの指示はビジョンがある

リーダーには、ビジョンを描く力が必要です。
ビジョンを描くことができれば、明確な目的を設定して、その達成のために必要な行動を支持することができます。
チームを成長に導くことができるリーダーの指示は、目的の達成を視野に入れたものですが、ビジョンが描けない人がリーダーになると目の前に起きたことに対する対処だけを求めるので、行き当たりばったりの支持になってしまいます。
会社の中である人にリーダーを任せたのに、チームを上手く動かすことができていない時は、その人がビジョンをもとに指示を出しているかを観察してみて下さい。

ビジョンを描く力を育てるのは情報収集

ビジョンを描く力は個人差があり、その差にはもともとの能力としての向き不向きという面があるとは思います。
しかし、それだけがビジョンを描く力を支える要素ではありません。
その人が持って情報が描けるビジョンに影響します。

もともと持っているその人のイメージ力とインプットした情報によってどんなビジョンが描けるかが決まります。
チームをしっかりと牽引できるリーダーは、情報をもとに目的と達成するための道筋をイメージしていると言えます。
もし自分がリーダーという立場であるなら、ビジョンを明確にすること、そのための情報収集を怠らないことを意識してみて下さい。

ビジョンを言語化することで共感を得る

世の中にはいろんなリーダーがいて、いろんな方法で組織を牽引していると思いますが、何が正解かは時代によって違ってくると思っていて、現在のような誰もがその気になれば情報を得ること、情報を発信することが可能な社会では、組織の在り方も変わってきていると感じています。

そんな中で私が意識していることは、自分のビジョンをしっかりと言語化して、それに共感をしてくれる人と一緒に活動する組織です。
誰もが情報を得ること、情報を発信することが容易な社会では、『黙って自分について来い』というやり方では無理があると思っています。
ビジョンを明確にして、周囲の人が私と一緒に働く理由を持ってもらうということでつながりを生み出したいという考えです。

共感を得たらさらに具体的なビジョンが必要になる

私が経営する会社では、『健康、教育、スポーツ、企業における社会的課題の解決を目指す』というミッションを掲げています。

私たちはカウンセリング、コーチング、コンサルティングという形で心理的なサポートを提供している会社です。
健康、教育、スポーツ、企業が抱える課題の解決を心理的な側面からサポートしています。

現在一緒に仕事をしている人たちは、上記のいずれかの部分の社会的課題に関心を持っていて、それに対するアプローチができる機会を得ることができるのが私が作った会社ということで1つのチームとして動いています。
まだまだチームとして効果的に連携しているというよりは、個人が自分の持ち場でしっかりと仕事をしているという段階ですが、今後の目標はチームとして連携できる形に成長していくことです。

健康、教育、スポーツ、企業の分野が抱える課題は、それぞれが独立している問題でなはないので、そこにアプローチしていく私たちも連携していくことが望ましいと思っています。
では、それは具体的にどんなことを行っていくのかという点が、リーダーとして私が明確にしなければならないビジョンです。
やりたいこと、やろうとしていることには共感できるということで人が集まれば、次はリーダーとしてその人たちがどう行動すればいいのかというビジョンを示す必要があります。

リーダーの役割は、常に先のビジョンを提供し続けることだと考えていて、あとはそれを実行してくれるチームがあればミッションは進んでいきます。
幸い私の会社は実行力の高い人がいて、さらに新しく実行力のある人が入ってくることになっているので、私はチームが連携して動けるビジョンを描くために頭を使い続けなければならないと思っています。

人の心を動かし行動を促す言語力

私は、リーダーが身に着けた方が良い能力の中には、言語力があると考えています。
言語とは、コミュニケーションの道具であると同時に思考の道具でもあるので、言語力がある人は思考が整理されていてシンプルかつスピーディーに判断ができる傾向が高く、さらに自分の考えを人に伝えるのも上手いように思います。

リーダーに言語力が必要な理由は、人の心を動かし行動を促すことが組織を率いる上で求められるからです。
1つの仕事を進める上でも、すべての能力においてリーダーが仲間の能力を上回っていることは少ないし、仕事の規模によっては一人で進めることは難しいため、自分のビジョンを伝え、仲間のやる気を刺激して、行動を起こさせる必要が出てきます。

言語力のないリーダーほど、支配的な言葉で人を動かそうとしますが、言語力のあるリーダーほどビジョンを明確にして人の行動を促進します。

人は見えない未来に対して動けない

リーダーの資質がある人とそうでない人の違いの1つは、“未来に不明確な部分があっても行動できるか、できないか”という点だと思っています。
多くの人は後者なので、リーダーは自分のビジョンを言語化したり、実際に行動をして結果を出して、できる限り未来を見遠しやすくしてあげる必要があります。

言語力のあるリーダーは、言葉によって未来を見えやすくして人の行動を促しています。
これには、現実的な未来を語る人もいれば、非現実的であったり不確かな未来を語る人もいて、どんなリーダーを信じるのかという点においては、この違いをどう見極めるかは重要なのですが、その話はまた機会があれば書きます。

とにかく、人は不確かな未来に対して行動を起こすことは勇気がいるので、仲間が少しの勇気で行動ができるようにするためには、リーダーは“言語力によって物事をわかりやすくする”能力を持っておいた良いということです。

リーダーの動機と言語力

リーダーは、仲間に協力してもらってこそ大きな仕事を成し遂げることができます。
そのため、仲間にどのように動いてほしいのか、どのようにサポートして欲しいのかを伝える力が必要になります。

例えば、堅実に仕事をしてほしい、自分が苦手なところをサポートして欲しい、自分の行動をまねて力をつけて欲しい、一緒に難しいことに挑戦して欲しい、などチームの目的や仕事の種類によってリーダーが仲間に求めたい内容は違いがあります。
自分たちの仕事の性質を把握して、自分が仲間に何を求めているかをわかりやすく伝えなければチームは上手く機能しません。

私自身も、人にどう伝えれば仕事がうまく回るのか、一緒に働いている人にやりがいや充実感を感じる仕事をしてもらえるのか、またはその人たちの成長を促せるのか、と試行錯誤しながら仕事をしています。
はっきりと言えることは、人にはその時々の心理状態というものがあり、仕事以外にさまざまな事情を抱えているという背景があるので、こういう伝え方をすれば人は動いてくれるというものはないということです。

常に状況を見て、何を伝えるか、どのような言語で伝えるのか、そしていつ伝えるのかを常に見極めながらチームを率いるということがリーダーの難しさだと感じています。

まとめ

リーダーに必要な能力にはさまざまなものがあると思いますが、その中の目的達成のためにチームを動かすという観点から必要なものは、ビジョン、共感を得ること、仲間の行動を促す言語力だと考えています。
自分のビジョンを相手の心が動くように伝えることができるコミュニケーション能力を持っている人は、チームを動かすことができるリーダーになれると思います。

スポーツチームは、所属する各選手にも個人的な目的があるので、リーダーがチームとしての目的を明確にして、共感を促し、言葉でまとめていくという意識を持つ必要があります。
所属している選手達はチームの目的を理解していて、そのために行動するだろうという思っていても、チームは自然とまとまることはないのです。
この辺りは、リーダーとして苦労してチームをまとめてきた経験のある人なら良くわかるのではないかと思います。

新たにリーダーをしようとしている人、現在リーダーとしてチームをまとめることに苦労している人には、この記事が参考になるようであれば嬉しく思います。
リーダーとしてチームをまとめて目的達成を目指したという経験は、別の仕事で組織に所属する時にも活かせる経験です。
リーダーをする機会を得た人は、その貴重な機会を自分の糧にして欲しいと思います。

この記事を書いた人

衣川竜也

衣川竜也

株式会社AXIA 代表取締役
メンタルトレーナー、心理カウンセラーとして大阪を拠点に活動しています。
このサイトでは、主にアスリートのキャリア構築に関する心理的要素について
記事を書いています。

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