競技生活はポジティブな思考を鍛える機会
あなたは物事をポジティブに考えることができるタイプですが、それともネガティブに考えてしまう傾向が強いタイプですか?
思考パターンは気分や行動に影響しやすく、ネガティブな思考が強すぎると気分が落ち込みやすくなり、態度が暗くなったり、行動力も低下してしまいます。
一般的なイメージとして、アスリートはポジティブだという印象を持たれやすいのですが、スポーツに真剣に向き合う程プレッシャーも掛かってくるし、プロとなると生活の不安も生じます。
スポーツは競技として取り組むと勝敗にこだわることになり、結果によって人生も大きく変わってくるので、ネガティブな思考が働きやすい要素もたくさんあります。
人間はネガティブなセンサーが発達している
実は、人間はネガティブな情報に意識が向きやすい傾向があります。
それは生きるために危険を回避して安全性を確保するためです。
アスリートの競技生活は、人間が持っているネガティブな情報をキャッチするセンサーを刺激する要素はたくさんあるのです。
そのため、アスリートの中には自分はネガティブ思考が強いと感じている人も少なくありません。
競技をする以上は勝敗というものがあり、試合に出るために指導者の評価が気にしてしまう、認知度が上がることによって世間の声が気になる、いつかは引退しなければならないなど、ストレスを感じる要素がたくさんあるので、どうしてもネガティブなセンサーが刺激されてしまいやすいのです。
ただ、このような要素がある中で生活しているからこそ、その環境の中で良きるためのストレス耐性も高まるため、精神状態を保って活動することができるのです。
競技生活を生き抜くポジティブ思考とは
競技生活は、そもそもネガティブなセンサーを刺激する要素が多いので、アスリートは一定のストレス耐性が鍛えられていくのですが、それと同時にポジティブな思考も身につけていっているように思います。
現役のアスリートでも引退した元アスリートでも、元気で前向きだと感じる人は過酷な競技生活を生き抜くために身につけたポジティブな思考力を持っていると感じるのです。
このポジティブな思考力というのは、単純に物事を楽観的に捉えているということではなく、物事の中にあるネガティブな要素を理解した上でポジティブな要素を見つけ出すことができる思考です。
それは、練習によって自分のフィジカルやスキルを向上させ、困難に挑戦する際に自分が高めた能力を信じることができるというようなポジティブな発想です。
自分がどれほど練習をしたのか、何ができるようになったのかを把握して、それらを根拠に自分の心を保って挑戦をするということを繰り返す機会が競技生活の中では繰り返されるので、アスリートは自分を信じるというポジティブ思考が身につけることができると思うのです。
セカンドキャリアにも活かせるポジティブな思考力
スポーツに真剣に打ち込むことの価値の1つは、出来なかったことが出来るようになったという体験ができるという点だと思います。
これは、困難が生じても自分の成長によって乗り越えていけるという感覚を自分の心の中に養うことができる体験です。
本来、競技生活を続けてきたアスリートは、この体験を繰り返してきているはずです。
競技生活の中で残した結果は人によって違いがあるので、自分の競技生活を評価する時に結果だけに焦点を当てるのではなく、体験に焦点を当てて自分がどんな心の力を養ってきたのかということを自覚して欲しいと思っています。
それは、人生を切り開いていくためのポジティブな思考力とは、現実をしっかりと受け止めた上で状況を良くする力が自分にはあると感じて行動を起こすことが出来る力だからです。
アスリートにとって競技生活は厳しいとは言えど、長年取り組んで高めてきた競技力が活かせる場でもあるので、一定のストレス耐性とポジティブな思考を持って挑戦を続けることが出来るのですが、引退後に戸惑いが強くなってしまうのは、これまで高めてきた競技力で困難を解決していける場ではなくなってしまうからです。
だからこそ、競技生活の中で出来なかったことを努力によって出来るようになり、その結果乗り越えられた課題もたくさんあったという感覚が自分を支えてくれる力となるのです。
セカンドキャリアとして新しいことに挑戦する中で、努力によって出来ることを増やしていけばこの困難も乗り越えていけるという感覚を持っておくことが自分を支えてくれます。
アスリートは、競技生活の中でこのようなポジティブ思考を鍛えてきているので、その力は引退後でも活かせるものと認識しておいてほしいと思います。
この記事を書いた人
衣川竜也
アスリートのキャリア構築を支援するオンラインサロン