アスリートに知って欲しい仕事を選ぶ7つの基準

今回は、アスリートが引退後に仕事を探す際に企業に入る場合でも起業して何かを始める場合にも、7つの基準を持っておくと良いという内容です
仕事選びの7つの基準は、下記で紹介している科学的な適職という本で❝仕事の幸福度を決める7つの徳目❞として紹介されています。
それぞれの基準について私の見解も交えながら紹介したいと思います。

アスリート必見!適職探しのための情報一覧

仕事の幸福度を高める7つの基準

この記事で伝えたいことは、幸福度の高い仕事がしたいのなら、7つの徳目を仕事を選ぶ際の基準にしようということですが、その基準は自由、達成、焦点、明確、多様、仲間、貢献だそうです。
なぜこれらが仕事の幸福度に影響するのかということを1つずつ説明していきたいと思います。

自由度は幸福度だけでなくストレス軽減にも影響する

自由度の高さは、仕事の幸福度を高めるのにかなり大きな要素だと言われています。
台湾で仕事の自由度と満足度の関係を調べる研究で、自由度が上がるほど満足度が高まり、ストレスレベルの高い作業をしていてもネガティブな感情になりにくいという結果が出ています。

私の体験でも自由度の高さの重要性は感じています。
会社員として就職した時に所属企業から出向した親会社では、社会人の1、2年目を過ごしたのですが、当然自由度は低かったので仕事の満足度も高くありませんでした。
出向から戻った所属先の会社では、経験を積むほど自由度が増していき、27歳くらいから退職する30歳くらいまでは自分の裁量はある程度増えていたので、それなりにプレッシャーのある立場でも仕事の満足度は高かったように思います。
さらに起業してからは、責任も仕事の負荷も大きくなっていますが、正直ストレスは会社員時代とは比べ物にならないくらい低いと感じています。

達成感が仕事のモチベーションを高めてくれる

仕事で達成感を得ることは、モチベーションを保つために重要だと言われていますが、モチベーションを維持している人には共通の特徴があります。
それは、小さな達成感を感じられる仕事の仕方、意識の持ち方だということです。
ハーバード大学が行った研究では、仕事のモチベーションがもっとも高まるのは、少しでも仕事が前に進んでいる時だという結論が出ているそうです。

私の場合、仕事の中で自分の行動だけで左右できる数字を意識しているのですが、その1つがブログの更新です。
ブログの更新は、自分が書けば必ず1記事は増えるという結果が出て、仕事が前に進んでいるという感覚がつかめるからです。
もちろん、どんな記事を書くのかということは大切なのですが、意味のある記事を書いていれば仕事の成果につながってきているので、ブログ更新を自分の仕事が進む1つの指標にしています。

適職選びに有効な焦点の当て方

コロンビア大学の研究では、人間の性格を『攻撃型』と『防御型』に分けて、それぞれの性格に合った仕事をするとパフォーマンスが高くなるという結果が出ているそうです。
この研究結果は、適職を見極めるための焦点をかなりシンプルにしてくれていると言えます。

私は心理カウンセラーをしているので、人の性格を仕事の手掛かりとして重視していますが、攻撃型か防御型という分類は適職と性格の関係を考えるにあたって非常に良い焦点だと思います。
人間の脳は、生存欲求と言って自分の命を守る欲求が強く、大雑把に分けるとその欲求が攻撃的に表れる人と防御的に表れる人に分かれるからです。
おそらく、詳細に性格を分析しようとすると本人の本質とのずれが出てしまいますが、攻撃型か防御型という分け方であれば、本人の本質とのずれが出にくいという点で、この焦点の当て方が有効なのではないかと思います。

攻撃型と防御型と仕事の関係については、下記で紹介している本に詳しく書いてあるので読んでみて下さい。

働きやすい組織が持っている明確さ

働きやすい組織が、功績は素直に称えられ、罪があれば必ず罰せられ、それが公平に行われているという特徴があるそうです。
さらに上司からの指示に一貫性があり、部下が何をすれば良いかが明確であることも働きやすい組織の条件だと言われています。
反対にストレスレベルが高い職場は、信賞必罰と自分が行うべきタスクは不明確で、責任以上の仕事を任され、ミスが起こると上司は責任逃れをして部下が責任を負うというような傾向があります。

働く環境を選ぶ時などは、その会社が明確なビジョンを持って取り組んでいるか、ビジョンの実現のために組織がシステム化されているか、公平で適正な人事評価がされているかなどは、企業を見極める視点になると言えるでしょう。

多様な経験、能力の獲得が仕事の満足度を上げる

多様性も仕事の満足度を高める重要な要素です。
自分の行っている作業が何のため、誰のためになっているの変わらずに同じ作業を何年も行う職場と経験を積めば次の課程の作業を行うことができて作業の全体像を知ることができる職場では、働く人の満足度が変わるのです。
多様な作業を経験することができ、多様な能力を身につけることができる職場は、“慣れ”が生じにくく仕事に面白みを感じることができたり、自分の能力をいろんな形で感じることができるので満足度も高くなります。

また、多様な経験、能力の獲得ができる組織は、離職率も低くなるそうです。
人間は1つのところで働いていると飽きが生じると思いますが、組織が多様な経験と能力の獲得ができる仕組みを提供してくれることによって飽きることなく、他の組織に移る理由がなくなるのでしょう。

仲間は仕事の満足度を総合的に上げる力がある

職場に仲間がいることは、仕事の満足度に関わるいくつかの要素を高めてくれると言われています。
アメリカのサーベイによる研究では、職場に3人以上の友達がいる人は人生の満足度が96%も上がり、給料への満足度が2倍になるという結果が出ています。
また、職場に最高の友人がいる場合は、仕事のモチベーションが7倍になり、作業スピードも上がるという結果もあります。

自分と似た価値観や興味、関心を持った人は仲良くなる可能性が高いと言えるので、企業を選ぶ際には、自分と似た価値観や興味、関心を持った人が多く集まりそうなところを選ぶということも気の合う人と働くために意識すると良いかもしれません。

他人への貢献が感じやすい職業は満足度が高い

シカゴ大学による研究では、他人への貢献が感じられる職業は満足度が高いという結果が出ています。
満足度が高い職業の上位には、自分が他人に貢献できたことがわかりやすい職業がランクインしていました。

自分の働きが他人に与える貢献度を表す言葉に『タスク重要性』というものがありますが、これはその仕事がどれくらい他人の性格に影響を与えられるかという指標です。
私が見た京都女子大学の研究では、他者への親切行動を行っている人は、脳の機能や体の免疫機能を高めるということが発表されていました。

どちらかというと一般消費者に対して自分の知識や能力によってサービスを提供する仕事は貢献度がわかりやすいと言えます。
大きな組織の中で働く人は、自分の仕事が誰にどんな貢献をすることができているかを想像できるようになると満足度が高められると思います。

7つの基準をセカンドキャリアのビジョンに取り入れる

アスリートにとって競技生活は情熱を傾け、可能性に挑戦できるやりがいのあるものでしょう。
引退ということでその生活が終わった後、どのように次のキャリアを歩んでいけば良いのか戸惑ってしまう人も多いのではないかと思います。
そんな時、この記事で紹介した仕事を選ぶ7つの基準をもとに新しいキャリアについて考えてみて欲しいと思います。

新しいキャリアについて基準を持って考えてみることは、引退後の先が見えない状態の中を進む道標になるのではないかと思います。
自分は何を重視して働きたいのかと考えるだけでも、自分に合う仕事について考えやすくなると思います。
起業する方が良いのか、どこかに就職する方が良いのかということに関しても、7つの基準をもとに考えると見えてきます。

今、引退をして先が見えずに悩んでいるアスリートもも引退を意識して競技をしているアスリートもこの記事で紹介した7つの基準でキャリアについて考えてみて欲しいと思います。

■参考書籍
この記事は、下記の書籍を参考にして書いています。
仕事をどのように選んでいくことが望ましいか、根拠を示しながら説明してあるので、自分のキャリアについて考える手掛りとして読んでおくことをお勧めします。

 

アスリート、元アスリートのための適職探しのノウハウ

アスリートが転職活動で気を付けること

転職活動で活用して欲しい知識と方法

現役アスリートと元アスリートのための求人情報一覧

 

この記事を書いた人

衣川竜也

衣川竜也

株式会社AXIA 代表取締役
メンタルトレーナー、心理カウンセラーとして大阪を拠点に活動しています。
このサイトでは、主にアスリートのキャリア構築に関する心理的要素について
記事を書いています。

■Homepage  ■Facebook  ■twitter

アスリートのキャリア構築を支援するオンラインサロン

アスリートのためのキャリアビルド研究所
アスリートのキャリア構築を目的とした情報提供、アスリート同士の交流、専門家や経営者との交流などの機会を提供するオンラインサロンです。
アスリートとしてのキャリアを次のキャリアに繋げていくことを応援します。

この記事を読んだ人は
こんな記事も見ています